第5章 戦う勇気 手放す勇気
ずばるside
大倉を安とご飯に行かせ
大倉から渡された鍵で家に入ると
ソファーに座って小さくなる
なのかの姿が見える…
「ただいまなのか(笑)」
そう言って
小さく丸々なのかを抱きしめると
ゆっくりと顔を上げ
振り返ったなのかの顔は
涙でぐちゃぐちゃな顔で…
「また泣いてんの(笑)?」
なんて笑いながら服の袖で涙を拭ってやると
「なんで…すばちゃん………?」
真っ赤な目をしてなのかは
俺を見つめる…
「なんでって…
なのかに会いたいから会いに来た。
それだけやんか(笑)
そんなことより
お前は大丈夫なんか……?」
そう言って
少し震えてるなのかの手を握りしめると
またなのかは
大粒の涙をその目からポロポロと溢して
「私…………………?
私は………大丈夫………
じゃない……
裕兄に…会いたくて………
胸が痛くて…苦しくて………
私……大丈夫じゃ……ない………」
そんな言葉を辛そうに吐き出して
俺の胸に顔を埋めた………