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ブラック・リード (鉄血のオルフェンズ)

第1章 ゼロ・ワン


ミカがガンダムに乗る数時間前、CGSにお姫様がやってきた。名前は、クーデリア・藍那・バーンスタイン。テレビにも出ている火星の独立運動家だった。白い肌に、豊かな金髪…。事務所で顔を合わせた時、思わず釘付けになったのを覚えている。そんなクーデリアが、この度火星の調停役を任され、地球まで旅立つという。依頼はその護衛だった。けれど、メイドに話を任せっきりな面、彼女は本当にお嬢様なのだろう。温室育ちの世間知らず。人の性善説を心から信じている手合い。その時、雪之丞がリフトを使ってコックピットに上がってきた。
「おーい、三日月どうなったって…どうしたんだ?ゾッとするような顔してよ」
「ちょっと考え事。三日月はまだ起きないよ」
「そうかぁ…。ま、なんだ。オメェさんほど頭がいいと、悩みは尽きねぇんだろうな…」
「ありがと、おやっさん」
「おう」
沈黙。それから少しして、三日月が目覚めた。
「うっ…くっ…」
「おはよ、ミカ」
「あ…おはよ…」
「気分はどう?」
「最悪」
「だろうな。待ってろ、今ケーブル外すから」
「ん」
すると三日月は、わたしの胸に頭を預けた。
「硬い…」
「そりゃそうだ」
プシュッと圧力の下がる音がして、ケーブルが外れる。三日月が呟いた。
「何人死んだの…」
「ごめん、俺は知らない。けど…たくさん」
わたしは、雪之丞を振り返る。
「参班組は46人、一軍は68人だ。オメェは…オメェとコイツは…よくやったよ」
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