第1章 壱ノ華
「ジル、俺はここに呼ばれなくても良かったのでは?
そもそも、この城の者ではない。」
「いえ、今ここに滞在していただいていますし、この新人の力量を知っていて損はないでしょう。今から、新人試験を行うわけですから。」
ルイは眉間に皺を作り、目を伏せた。
新人、試験??
このまま働ける雰囲気かと思った……。
た、戦ったり、すんのかな…??
ジルの方を見ると、にっこりと微笑んでいる。
そして、近くの椅子に座るよう促され、ちょこん、と座る。
「では、こちらに肘も置かれてください。」
肘掛けに肘を付くと、ジルは僕の両手首をベルトでしっかり固定し始める。自由がきかなくなってから、はっと思う。
これはもしや……。
「ご察しの通りですよ、#ハルカ#さん。」
『ま、待ってください!
身体検査ってこんな感じでやるのですか!?』
「…………はい、そうですよ。」
「ぶふっ……#ハルカ#、面白いね…っ
この状況を身体検査!」
レオが吹き出し、お腹を抱えている。
僕が話している間に両足を椅子の足に固定され、何も出来なくなった。
レオが吹き出している意味がわからず、もう1度ジルの方をみる。
「では、始めましょう。
#ハルカ#さん。」
ジルは僕のネクタイを解き、ジャケットのボタンを外していく。
始まる身体検査検査に胸を高鳴らせ、ふと、あることに気がつく。
そういえば、僕、男って事になってるんだった……。
や、やばい!
『ちょ、あのっ!!』