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藍の花

第1章 壱ノ華




元々、お金には困っていた。
両親は去年他界し、残されたお金だけで生活していた。それも最近では底を尽きてきて、働こうかどうか悩む毎日を繰り返していた。僕の歳は17歳。そんな子どもを働かせてくれるところなんかどこにあるだろう。

勿論、掲示板の貼り紙には目を輝かせた。
住み込みという事は家賃を払わなくて良い訳で、出費を避けられる事が出来て、更には年齢制限がないし、掃除、家事が好きな僕には持ってこいの仕事だ。


『僕、城で働く!!』

「そうと決まれば、ハルカ!
準備しなくちゃね!」


準備??とマリアの顔を見ると、疑問を口にするより先に手を引かれて移動をする。







この時、自分が考えているよりも現実は甘くは無いという事を思い知る事になるとは、僕だけじゃない…誰もが思わなかった事だろう。
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