第1章 壱ノ華
そうして五分程がたった今、ジルが甘い溜息を漏らす。
「#ハルカ#さん、素晴らしいですね。」
素晴らしいと訴えるジルの視線の先には、声を我慢をする為に噛んだ下唇からうっすらと血を滲ませ、着ていたものは脱がされた状態で再び椅子に固定されている。
しかし、ジルが褒めたたえているのはそこではない。
乳首は可愛らしくぷっくりと主張し、座っている椅子は愛液に塗れている。
ジルが僕の額の汗を拭うとビクンっと身体を跳ねさせ、声は出すまいと更に力を入れてる下唇を噛む。
「ここまで魅力的な方だとは…。」
ジルが先程、僕の口に入れた小瓶の中のピンク色の液体を見つめながら、くすくすと嘲笑を含んだ笑いを見せる。他の男性も先程から僕に向ける視線が顔や身体に向けられていて、羞恥心を煽る。
しかし、まだこの状態になっても尚、達していないという事が奇跡に近いものだとジルは思う。
意識が朦朧とする中、身体が言う事を聞かなくて困り果てていたその時。
「ジル、ちょっといい?」
「レオ…?
どうかしましたか?」
「手だけベルト外してあげてよ。
真っ赤になってる。」
そんなレオの要望にジルは口角を上げ、両腕のベルトを外す。ジルは僕の耳元で、ご自由にどうぞ、と声を掛けた。
『あ、ありがとうございます…っ……はぁ』