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With Live Planet _この星で生きる_

第5章 最怖の相手


コンコン


ノックをすると軽い音が帰ってきた。

その後に返事が聞こえたので名乗ってから入った。



「どうされました?」


ウリさんはスーツのジャケットを脱ぎ、
Yシャツになっていた。


「このドレスとかどうしたら良いですか?」


「あ、それならアテラスさんが持っていてください。パーティーなどで着たらどうです?」


彼はそう言いながら私の方へ来た。



「とても綺麗です。いつも元気で強く美しいあなたに似合ってます」



いつものように褒めてくれた彼に私はお礼を言う。


その場でくるりと回って見せておどけてみた。


それを見たウリさんはくすりと笑って私の方へ近づく。


彼は私の髪を束ねている飾りをすっとほどくと、私の髪は右肩にするんと降りた。


「??…どうされました?」


「あなたは縛らない方が綺麗ですね。
なんて…言いたい言葉はこれではないのです」



何が何だか分からないが、今のウリさんはどことなく大人の色気が漏れ出ている。

落ち着いているけど、なんだか悲しそうに見えるのはなぜだろう。



「言いたい言葉は…なんですか?」


私が素直に疑問を口にするとウリさんは一瞬、躊躇ったが口を開いた。



「私はあなたのことが好きになりました」


私の目を見てウリさんが口に出す。
私のことが好きだと。



「え…?えっと///……んっ⁉︎」


私がどもっていると彼が更に接近してきて、彼の顔が私に近づいた。


ふわっとウリさんの手は私の口を覆い、その手に彼は目を瞑りながらキスをした。


驚きで目が見開いていたので、彼の長い睫毛もきめ細やかな白い肌も全てが伺えた。



「ーあなたは私のものではないので…勝手にすみません」



そう言いながら、私の口から手を離す。

残ったのは温かな手の感覚と、ウリさんの良い匂い。



ーそして、痛いくらいの心臓の音。



「ーし、失礼しますっっ!///」


私は心臓の音を聞かれたくないので、逃げるように部屋を出た。



廊下で気づいたが、きっと私は心臓の音を聞かれたくなかったのではなくただ単に恥ずかしかっただけだ。

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