With Live Planet _この星で生きる_
第5章 最怖の相手
「じゃあ、行くよ?」
ガブリエルさんはそう言いながら、私の手を取りエスコートしてくれる。
「あぁ〜、とられたぁ」
そう言いながらミカさんも私の隣に、
ウリさんとラーフさんは左右に分かれて
いる。
要するに私はセンターの位置にいる。
うわ、お嬢様みたいだ。
担当の戦闘士の方が扉を開けてくれて、
私は久しぶりに外へ出る。
「やっぱり綺麗だね…すごく平和」
目の前には街灯の光で綺麗に照らされる
草木が素敵だ。
芝生はふわふわとしていて歩きやすく、風が優しく吹くたびに、木に生えている葉が素敵な音色を奏でる。
アストも縄文の外に見える。
活気の良い声や、どこからか聞こえる音楽が楽しい気持ちにしてくれる。
「アテラス、囲まれるはずだから堂々と進んでね。店までは100mくらいだから」
耳元で囁かれたガブリエルさんの声は
なんだか嬉しそうだった。
城門を出ると、城下町にいたアストがこちらを向いた。
「…だ、第1級戦闘士よっ!!」
と言う女のアストの声で、さらに奥からも野次馬が来る。
「ガブリエル様っ!」「ミカ様ぁ〜!」
「ウ、ウリエル様っ!!」
「ラーファ様、こっち見て!」
なんていう女性の声が目立つ。
本当にアイドルのようだ。
ミカさん以外は愛想笑いを浮かべているが、ミカさんは手を振り返している。
「あっ!あの女性はアテラス様っ!」
「あれがアテラス様っ⁉︎」
「お美しい!とてもお強いのだろう?」
なんて声が不意に聞こえた。
「アテラス様ってなんか可笑しいね」
ガブリエルさんが私の隣で、微笑している。
こっちはいきなり褒められて照れてるというのに。
「様付けは慣れませんね〜」
ウリさんは私に同意を求めてきたので、必死に頷く。
人だかりはできているが、第1級戦闘士が貴すぎるようで、とても近くには寄ってこない。