With Live Planet _この星で生きる_
第5章 最怖の相手
何やら良いにおいがする。
柔らかな匂いのして柔らかすぎず、硬すぎないもの。
フッと目を覚ました時一瞬何だかわからなかったが、視界を上にずらすとガブリエルさんだった。
昨日の事ははっきり覚えているから
驚きは少なかった。
さすがに朝まで抱きつきながら座って寝ているとは思わなかったけど。
とても暖かい彼は何だか安心する。
私はもう1度目をつむり、もうしばらくその温もりを味わっていた。
「…暖かくて、良いにおい」
背中に回している腕を起こさない程度に
キュッとしめる。
まつげは長いし、鼻は高いし、色白だし、唇は良い形だし。
それに強いし、完璧なんだなぁ。
何て思ってるとガブリエルさんが少し動いた。
「ん…うぅ…」
起きたのかなと思って顔を見つめていると、不意に紅い目がぱちっと開いた。
「ぁ、おは、わゎっ!」
目があったので咄嗟に挨拶をしようとしたら急に背中にある腕を強く締められた。
「あったか…良いにおい…」
そのままガブリエルさんは目をつむりながら後ろに倒れ、私がガブリエルさんに乗っかっている形になる。
「ぅえっ⁉︎あ、ちょ…///」
私が驚きの声を出すと、ガブリエルさんはまた目を開いた。
「…おはよ。今何時?」
いつもよりほんの少しだけ低い声は、寝起きだからだろう。
「えっと……スマホ見るので一旦手を…」
私が断りをいただこうとすると可愛らしい答えが返ってきた。
「やだ、まだダメ。時間はいいから
もう一回寝よう」
そう言って彼はまた目をつむった。
「え~~、ガブリエルさん…」
私が名を呼んでも、反応してくれない。
ま、いっか。
私も体重を全てガブリエル任せ、また目をつむった。
「お……、ア……ス!起きて!」
体を揺さぶられてるのに気付き、ぱちっと目を開ける。
「…ガブリエルさん?…あれ、ここは…」
ミカエルさんの部屋ではない。
でも来たことがある場所だ。
「僕の部屋」
「え!ガブリエルさんの部屋⁉︎移動したっけ?」
そう言うとガブリエルさんは説明してくれた。