With Live Planet _この星で生きる_
第5章 最怖の相手
私がご飯をくれて嬉しいと言うと
彼女は泣きながら「これが当たり前だ」と言ってました。
そんな優しい彼女と私の幸せな日々の時は少しずつ流れていました。
でもそんな時に戦争は始まりました。
国民保護サイレンが鳴り響くそんな毎日。
すぐに自宅の地下室で空襲を防ぐ日々。
でも彼女が隣に入れば私は不思議と怖くなかった。
その時代は日本が最先端技術を誇っていたので、残った国は日本だけになりました。
家の外では銃声や叫び声が聞こえる日もありましたが、彼女の意思で私達は
それを知らんふりしていつもの日常を取り戻そうとしてました。
でも…でも…」
その先を話そうとした時、あの時の映像が頭にフラッシュバックして頭が働かなかった。
代わりに嘔吐感がでてきて苦しくなった。
「辛いこと話させてごめん。
もうその先は話さなくていいから」
そう言って震えて丸まった私の身体をガブリエルさんは包んでくれた。
とても暖かくて、優しくて、彼女の温もりに似ていた。
それが嬉しくて、辛くて、変だった。
ガブリエルさんが落ち着いた私から体を話そうとした時、私は「まだ、離さないで」とわがままを言ってしまった。
でも今離されたらなんだかひとりぼっちのようで怖かった。
「ありがとう、ガブリエルさん」
私はお礼を言った後、そのまま目をつむってしまった。