With Live Planet _この星で生きる_
第5章 最怖の相手
「私の家族は4人です。父と母と兄の。
父は死別。なので母と兄と暮らしてました。
裕福ではなかったのに、母の浪費癖のせいで更に貧しくなりました。
母は兄ばかりを可愛がるので私は食事にあり付けない日もしばしばありました。
なのでガリガリに痩せてしまい、母はこんなみっともなくて汚らしい子は外に出せないと言って、私を窓のない部屋に閉じ込めました。
でも生活していくためには、生きていくためにはしょうがないと思って私は文句を言わずそこで生活を始めました。
そんなある日、いつもするはずの生活音が聞こえないので私は部屋を出てみました。
何ヶ月ぶりかに部屋の外に出た私はなんだか嬉しくなり、そのままリビングへ行くと家具などが変わっていました。
すっかりお金持ちの家へと。
私が閉じ込められている合間に家は裕福になっていたんです。
あれ?なんで私は閉じ込められてるの?
テレビで日付を確認し、その日にちをカレンダーで確認したら『旅行』と書いてありました。
その時に分かってしまいました。
私は邪魔者で、要らない子だという子に。
空腹や恐怖に耐えた日々は無駄だったのだと気づかされとても辛かった。
私は冷蔵庫に入っている食料を食べ、
探したバッグにも詰めて家を出ました。
それからは色々なことをして生きてきました。
野宿だったし、食料も尽きましたが
女だったから売れるものはあったし、そのお金で食べたりはできました。
ある日、初めて女の人と身体を重ねました。
男の人とは違い、とても優しくて素敵でした。
家族のことなどを聞かれて私が話すと彼女は泣きながら私を抱きしめてくれました。
そして私は彼女と共に暮らすようになりました。
彼女は私にご飯をくれました。
彼女は私をお風呂に入れてくれました。
彼女は私に服を与えてくれました。
彼女は私に勉強を教えてくれました。
彼女は私に夢をくれました。
彼女は私の生きる希望となりました。