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With Live Planet _この星で生きる_

第5章 最怖の相手


水を飲むとお酒のせいで熱かった喉が
ヒンヤリとして気持ちよかった。


「もう酔いは覚めたの?」


「はい、ビックリしすぎて…」


先ほどの光景を思い出しながら、私は苦笑して答える。


「…戦闘中とはまったく雰囲気が違うね。どっちが本性なの⁇」


いきなり問われてびっくりしたが答える。


「どっちも本性ですよ。戦争中の地球での名残…みたいな感じで」


あの頃は本当に悲惨だった。
最初は国と国とで原爆、水爆の撃ち合いで。
その後に残った国で乱戦だった。


「君みたいな子供がさ?
軍人とかになぜ勝てたか分からないんだ。君の強さは認めるけど努力だけではないと思うんだ」



それは私も思う。
よく私なんかが生き残れたと。



「何度も死闘を繰り返して、大切な人も殺されて、生きる希望を失った時に私は強くなったと思います」


そう言うとリエルさんが首をかしげる。


「大切な人を失って、生きる希望を失ったのに強くなったの?」


「はい、どうでもよくなったんです。
周りなんて。多分、私には何かが欠けています。戦争のせいでどこかに捨ててしまったんです。

でもそのおかげで生きてこれました。」



「僕たちと暮らしていたら分かるんじゃない?」


ガブリエルさんの口から前向きな言葉が出るとは正直思ってなかった。


そんなことを思っているとまたまたガブリエルさんから質問された。



「ラーファから聞いたんだけどさ、子供の時代そんなよくなかったの?」


「あぁ、まぁ…はい」


それからも子供の話をしていたら、
こんな同情を誘うような話をするつもりではなかったが、お酒のせいもありうっかり話してしまった。


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