With Live Planet _この星で生きる_
第5章 最怖の相手
私は「へー」などと相槌をうちつつ、必死にメモ欄に文字を打っていく。
「そして部屋は今のところではなく、
俺たちのような部屋になる。
国家機密を扱うから、厳重な部屋ではなくてはならない。…あと聞きたい事は?」
「うーん…あっ!みなさんの事教えてください!」
「ラファエル。年は20歳。
職は戦闘士、罰執行人だ。
扱う武器は長剣。第1級戦闘士になったのは2年前だ。…あと知りたい事は?」
「いえ…ありがとうございます」
「そうか。他の奴らについては個々で聞いてくれ。…俺もお前の事聞かせてくれ」
「えっと、アマテラスです。年は16歳で、戦闘士です。…以上?」
「…チキュウでの事を聞いていいか?
本でしか見た事ないんだ」
「チキュウですか?んー、戦争が始まるまでは普通でしたよ」
「家族は?」
「母が1人、兄が2人です。父は私が2歳の時にいなくなりました」
「そうか…家族とは仲が良かったのか?」
「えっと、正直あんまり…」
私が苦しそうな顔をしたのかラファエルさんは謝ってきた。
「詮索してしまい悪かったな」
「いえ、お気にせず」
そこまで言った時、鐘が鳴った。
「…12時だ。13時から訓練があるから
またな」
そう言ってラファエルさんも部屋を出て行った。
母さん…兄さん…
久しぶりに3人の顔を思い出した。
忘れていたかった。
「っ、ゔぉぇっ!…はぁ、はぁ」
瞬時にある光景がフラッシュバックして
吐き気が押し寄せてくる。
思い出すな。記憶を閉じ込めろ。
一度深い深い深呼吸をして自分を落ち着かせる。
もういない人の事を、思い出す必要ない。
だって私には必要ないから。
私も訓練の準備があるから自室へと小走りで戻った。