With Live Planet _この星で生きる_
第14章 誰が守れるか
父であるガイア様に別れを告げた私は廊下を歩き、過去の私の部屋に向かった。
全てはここで始まり、ここで終わった。
久しぶりの部屋は私が出て行った時と何1つ変わっていなかった。
5人で一緒に寝た部屋で1人寝転がる。
「あれ、こここんなに広かったけ…」
思ったことを口に出してみたが、その声はコンクリートの壁に消えていった。
思う存分部屋に滞在すると、また私は救護室へ向かった。
明日になったらアトリ村に帰れるし、全部が終わる。
1人ベッドに戻った私は今まで会ったことを1つ1つ思い出しては、心の奥深くにしまっていった。
その後、最後の晩ご飯を食べた私は早い時間に眠りについた。
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早朝、目を覚ました私は顔を洗って身支度を整えた。
今まで使っていたベット等を綺麗にしてから転移装置へと向かった。
「アマテラス…本当にありがとう」
転移装置がある部屋にはガイア様を始めとするお世話になった方々が待っていた。
「すごい人ですね…集めてくれてありがとうございます」
たくさんの人が拍手する中、私は恥ずかしながらも歩く。
その中にはガブリエルさん達もいた。
「アマテラス…本当にごめん。助けてくれてありがとう」
「大丈夫ですよ、どうかアースベインを、星民を守ってくださいね」
一人一人と言葉を交わして、軽くハグをしてから転移装置の中へと入る。
ここには絶対に2度と来ない、お別れだ。
「みなさん、さようなら!ありがとうございましたっ」
私は手を振りながら、アトリ村へと転移した。
目を開ければ、自然豊かなアトリ村の入り口。
帰ってこれたんだ…アトリ村に…
一歩一歩、噛み締めながら私は村を歩く。まだ早朝のため、誰1人として歩いていない。
約1ヶ月ぶりのアトリ村はとても懐かしく感じた。
清々しい空気を思いっきり吸ってから、スゥとリュウの待つ家へと向かう。