With Live Planet _この星で生きる_
第14章 誰が守れるか
「いててっ。やっぱり体重が変わったからかバランス取れなくて…」
そう言いながらベッドの柵につかまって立とうとしているアマテラスを抱っこしてベッドに戻した。
前も軽かったのにもっと軽くなった。
「ありがとう、ガブリエルさん。
あなたにまた信じてもらえたから良かったよ。それだけで幸せ」
照れ笑いをしながら涙を浮かべてアマテラスは静かに笑った。
その後、ウリ達が来ては涙ながらに彼女に謝って行った。
その度にアマテラスは泣いたり、笑ったりしていた。
「花凛、ちょっといいかな」
みんなで丁度、救護室から出ようとした時再び扉が開いた。
スゥさんとリュウくんが義足を手に持ってきた。
心なしか、僕らを見た途端2人の顔つきは険しくなった。
「義足出来たよ。モーダリングの人が作ったから慣れたらいくらでも歩けるって………こんなもんかな。」
そう言いながら手際よく義足をつけたスゥさんが離れた。
カツン、と無機質な音がなる。
「おぉっ、立てたっ!…っと、しかも歩ける」
狭い救護室を初めて歩いた人のようにニコニコしながらアマテラスは歩いていた。
「アマテラス、本当にごめんなさい」
そんな様子を見て、苦しくなった僕らは部屋を出た。
「全部、本当だったな…」
「そうですね。ワンに『アマテラスさんに意地悪された』と言われただけで騙されてしまった…」
楽しかった時の記憶も取り戻したからか、僕らがやった行動の酷さが分かる。
僕、アマテラスのこと好きだったんだ。
あの手紙だって僕が書いたのに、気持ち悪いと言って破いてしまった…。
「とにかくワンとトューの処分考えなきゃ…ですね。それから私たちはもっと訓練するべきです」
青い顔したウリはそう言って自分の部屋に入っていった。
僕らができる償いはあるのだろうか…。