With Live Planet _この星で生きる_
第14章 誰が守れるか
ガブリエルside
広い部屋の隅に小さく小さく縮こまっていると、急にスマホから音がなった。
あ、アラームか…。てことはもう起きる時間だ。
ずっと考え事をしていて結局一睡もできなかった。
アマテラスはひどく怒りを表しながら、悲しそうに赤い涙を流していた。
どれほど泣いたのだろう。目が真っ赤だった。
「誰を信じていいか分からない。もしアマテラスが本当だったら…」
僕は彼女を隣で支えるべき人なのに、逆にひどく傷つけてしまった。
僕の顔を見たとき、ひどく光のない目で見てきたあの顔は忘れられない。
ーコンコン
顔を洗い終わったとき、部屋をノックされたので開けるとモーダリングの人だった。
「おはようございます。頼まれてたものが完成しました。青いカプセルが嘘を見抜く薬で赤いカプセルが消えた記憶を戻す薬になります。…それでは」
ハキハキと話した口調の彼とは裏腹に僕はそれを力なく受け取った。
とにかく飲むしかない…
僕は決心してみんなに部屋に集まってもらった。
「まずは記憶を取り戻そう。楽しかった頃をー」
そう言ってみんなで一斉に薬を飲んだ。
最初に頭痛がやってきてそれから胸焼けがした。
それを我慢して楽しかった頃を思い出す。
頭の中にあふれんばかりに流れてくる映像の数々、こんなの忘れてた。
他のみんなも信じられない、という顔をしている。
「俺、アマテラスちゃんのこと大好きだったはずなのに…」
「私も彼女のになんてひどいことを…。
私が最初にアマテラスさんを傷つけたんですね…」
ミカなんて涙を流して体を震えさせている。
「キツイが…ちゃんと白黒つけるぞ」
続いて、ラーファがもう1つの薬を飲んだ。
「リエル、嘘ついてみろ」
いきなりそう言われたので、僕は適当に「僕はミカエルだ」と言った。
「っ…、相手が嘘を言うと頭になんか音が鳴る。なんか超音波のような高い音だ」
反応が分かったところでラーファは部屋を出て行った。
きっとワンかトュー、それかアマテラスの元へ向かったのだろう。
「僕らも行くよ。ちゃんとケリつけなきゃ」
僕も薬を飲んで救護室へ向かった。