With Live Planet _この星で生きる_
第14章 誰が守れるか
「ワン、トュー。お前らの正体ってなんだ?」
ラファエルさんが隣にいた2人に問うと、彼女らは引きつった笑みを見せる。
「え、っとデマですよ。別に何もしてな…「もう、偽るのやめてよ。見てて気持ち悪い、吐き気がする。本当のこと言わないなら私が言う」
私は彼女達の目を見てハッキリそう言い切った。
「彼女達は実はモーダリングです。
その能力を使って惚れ薬を作り、あなた達に服用させて私の悪口を言った。
そしたらどうなるか分かりますよね?
自分が惚れてる人の嫌いな人は、自分も嫌いになる。
それに私はワンを刺していません。
自作自演にあなた方はまんまと騙されたんで…「しょっ、証拠ないじゃないですかっ‼︎‼︎」
「あります。ウリさん、私を嫌いな理由は何ですか?」
「え、えっと…私は……」
「他の方は?」
私が聞いてもみんな黙っていた。
そりゃそうだ。人から聞いた悪口など嫌う理由にはならないはず。
嫌いになったのは薬のせいで、聞いた悪口の内容なんて忘れてるはずだ。
しばし沈黙が流れるとワンとトューは救護室を走り抜けた。
「答えられないのに何で嫌ってるんですかね…」
自分たちの過ちに気付いた彼らは俯いて、思いつめた表情をしていた。
それを見ると今までふつふつと沸き上がっていた怒りが消えて、悲しみがでてきた。
「ウリエルさんは知ってますよね?私が人間ではないことも。黙っててくれてありがとうございました。
みなさんに好かれていた頃はとても楽しかったし、それが嘘だとは思ってません。
さっきは偉そうなこと言ってすみませんでした」
もうこれ以上話すこともないので私は布団をかぶってベットに寝転がった。
「今日は…もう疲れました。聞きたいことがあれば明日以降答えるので今日はおかえりください」
私がそう言うとヒタヒタと静かな足音5つ、扉の開閉音を聞いてから目を閉じた。