With Live Planet _この星で生きる_
第13章 私の正体
ーー1ヶ月半後
「起きて、スゥ〜、リュウ〜!」
朝日に照らされた部屋の真ん中で寝ている2人の掛け布団を思いっきり剥ぐ。
寝ぼけ眼の2人の背中を押して、私特製の朝ごはんを食べさせる。
その隙に布団を片付けて、掃除をしてしまう。
これが私の日課である。
「花凛がいる事がすごい当たり前になったなぁ〜」
「もう1ヶ月半になるもの。少しは役に立たなきゃ、だし?」
リュウの食べこぼしを拭きつつ、私も席に着く。
この時間は私が最も幸せを感じる。
多分、私とエナさんと、私とガブリエルさん達と過ごした時間で楽しかったのも食事の時間だったからだろう。
私は相変わらず失踪したままで、代わりにワンとトューが加入したことが報じられていた。
ワンとトューをテレビで見たとき、また怒りは私を襲ったけどスゥ達が助け出してくれた。
「今日はバァバのとこでお仕事だから早く食べちゃってね」
「「は〜〜いっ!」」
仲睦まじい様子を見て、微笑みながら私はお皿洗いを始めた。
「おはようございます、バァバ」
いつものように仕事を始めてから15分ぐらい経ったくらいだろうか。
「大変だぞ!侵略がまた起こるってよ!」
私がここに来て1回だけ侵略が起こったが、結局相手が来る途中に勝手に事故って終わった。
今回もそんなんだろう、と思いながらテレビの前に行く。
久しぶりに見るガブリエルさん達の顔、
久しぶりに聞く声全てが私のなかにある何かを揺さぶった。
いつもと変わらず「頑張ります」的なことを伝えて、アースベインの入り口とも言える扉へと向かっていった。
そうだな、とりあえずこの星をどうか守ってほしい。