With Live Planet _この星で生きる_
第11章 愛は狂気に、憎しみは殺意に
誰かが来る気配がしてそちらを振り向くとラーファさんだった。
「ラーファさんっ!あの後大丈夫でした?」
「お前こそ大丈夫か?なんだかウリもミカも普通じゃない。いきなりお前を…」
昨日はウリさんのことを考えていて、ミカさんを怒らず言動は一切してないと思う。
「でも確かにワンとトューに偉そうに言っちゃったかも…もう一度謝ります」
そう話していると他の人が続々と集まる。その中にワンとトューの姿も見えた。
「ワン、トュー。今朝はごめんなさい。きっといつも偉そうだったよね…。本当にごめんなさい」
私は腰から体を折り曲げて深々と謝る。
「いえ、大丈夫ですぅ。頑張りましょぉ〜?」
そう言って笑いながら私の横をすり抜けていった。
前まではあんな嫌がらせしてきたのに…
何かがおかしい。
彼女らが通り過ぎてから体制を直すとミカさんがこちらを見ていた。
「ミカさん、今朝は嫌な気持ちにさせてしまいすみません。2人にはしっかり謝りました。これからは気をつけ……」
「ーうるせーよ、人間。黙ってろ」
不意に耳元で聞こえたその言葉。
聞いたことのない低くて威圧的な声。
呆然とする私を置いて、彼は私の横を通っていった。
深呼吸して、落ち着かなきゃ。
こんな震えていたら訓練できない。
なんとか力を入れ、今にも崩れそうになるのを抑えて訓練に参加する。
全ての武器を持ってきたウリさんが来たので手伝いにいく。
「こっちに来ないでください。出来ますから…それとも私たちより人間の方が強いですか?」
ゾッとするほどの冷たい目で私に言う。
あなたは誰?……ウリさんじゃない。
ウリさんがみんなに武器を配るのを見ていて気づいたが、彼の手に私の武器はなかった。
取りに行かなきゃ…始まるまで後3分しかないや。
私は震える体に喝を入れ、武器庫へと走り出した。
武器庫までは近いけどさすがに3分では戻ってこれないだろう。
途中何度かつまずくがなんとか武器を持ち出し、訓練場へ戻る。
戻った時にはウリさんが皆に話し始めていた、ギリギリ間に合わなかった。
「遅れてすみませんっっ!」
慌てて列に並んだが、みんなの目線はとても痛い。