With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
「止まれっ!剣で自分の足を刺せ!
前の侵略の時えぐったように!」
そう言った彼は私に短剣を地面を滑らせるように渡してきた。
懐にまだ剣を隠し持っていたようで相変わらず、村民の首元にチラつかせている。
これはやるしかないか……。
私は剣を拾って、振り下ろせば足に突き刺さる位置に持ってくる。
前はほぼ突発的に行ったので怖くなかったが、正直今はものすごく怖い。
「アマテラスッッッ!!」
不意に聞こえた声の方を見ると、リュウとスゥだった。
とても不安そうな顔して、リュウなんか今にも泣き出しそうな顔だ。
怖いなんて言ってられない、私が守らなきゃーーーー
剣を持っていた手にグチャっという感触が伝わったと思ったら酷く痛みが襲ってきた。
「そのままえぐれっ!!」
という声で私は痛みに耐えながら剣を動かして肉をえぐった。
その時に思わず出てしまった声でリュウが泣き始めてしまったようだ。
私は短剣を捨て、かなり出血している足を引きずりながら近づく。
しかし、再び制止の声がかかる。
「そのジャケットを脱げっ!!」
残念ながらジャケットに隠していた武器を見破られたようだ。
しょうがなく私はそれを脱ぎ捨て、Yシャツになる。
それから制止の声がかかることなく悪党が私を捕まえられる位置まで行くと、人質は無事に解放された。
代わりに私は手を無理矢理後ろに組まされて、縛られそうになった時だった。
「ー銃をっっ!!」
私がそう叫ぶと、村民が落ちてる銃をこちらに向かって投げてきたので悪党を振り払いそれを受け取る。
間髪入れずに発砲して悪党は地面に気絶して倒れた。
それからすぐに私はそいつを含めた3人をまとめて縛りあげて動けないようにした。
「アマテラスさんっ!!」
全てが終わると全力のダッシュでリュウとスゥがやってきた。
涙で顔をぐちゃぐちゃにしたリュウは私に思いっきり抱きついてくる。
「アマテラス、早く足の処置を!!」
スゥは私を問答無用でおんぶして、リュウは私のジャケットや武器を持ってくれた。
家に戻ると、すぐに足を消毒して止血をしてくれた。