With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
それからも遊んでいると、12時をお知らせする時計が鳴った。
ガブリエルさんは12:05に転移陣と言っていたので、もう帰らなければならない。
決められた場所に立ったガブリエルさんを3人で見送る。
リュウは別れを惜しんだが、ガブリエルさんが「また会いに来るよ」と言うと元気よく返事をしていた。
最後に私の目を見て、無言で頷いた。
”アトリ村の事、頼んだよ”
という意味だろう。私も頷き返した時に彼は送られていった。
「うわっ、本当に消えちゃった!転移陣ってすげーな!」
とリュウとスゥは、はしゃいでいる。
私も楽しくお話ししながら、脳内では必死に作戦を考えていた。
その結果、もう少し村の地形や入り口を覚えておく必要がある。
「午後からは外でお散歩しない?名付けて『アトリ村ぐるぐる一周の旅』!!」
と私が考案するとリュウも賛同してくれた。
あとはいつ来ても私が対応できればうまく収束するはずだ。
それから私たちはお昼を食べた。
お片づけも終わり、私達は色々準備をして外に出る。
今日は中に色々な武器を仕込んだ軍服での外出だ。
リュウとスゥが入り口はここ、などと教えてくれたことを私は必死に頭に詰め込んだ。
歩いてみて、改めてこの村は平和だと思う。物々交換で食料をまかなっているし、みんな笑顔だ。
「アマテラスさん、見て!ドングリ!」
そう言ってリュウは手のひらに4つのドングリをのせている。
それをスゥは見て、リュウをこれでもかというくらい褒めている。
その顔を見てこの子達の苦しむ姿や泣く姿は絶対に見たくない。
絶対に守ろう、と決心した。
それから散歩も終わった私達は晩ご飯を食べ終わり、昨日のように寝室でお話をしていた。
ちなみに作戦通り、遊びのふりをして今日は照明を落としている。
この家は比較的、村の入り口に近いので
悪党が来たらまずここを襲うだろう。
できればそこでカタをつけておきたい。
そうして、私たちが楽しくお話をしている時にその瞬間はやってきた。