With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
最初はスゥが鬼で私たちはそれぞれの場所に隠れた。
「….ってなんで一緒の場所なんですか⁉︎」
普通かくれんぼといえばバラバラに隠れるものでしょ、と私が抗議した。
「シーッ、バレちゃうっ!これも考えてのこと。アテラスに言わなきゃいけないことがあるんだ」
そういったガブリエルさんは尚一層声を潜めて、私の耳元で話し始めた。
「アトリ村にアテラスが滞在してるのがバレて報道された、それで悪党がアトリ村を訪れるかもしれない。
いつもは5人いるけど、1人だし、しかも女だからって襲ってくるはず」
私はいくら1人でしかも女でもさすがに負けたりはしない、と反論した。
「もちろん、それは分かってる。でも人質を取られたら何もできない…でしょ?」
「なら、どうすれば…」
私がそこまで言った時にガブリエルさんは親指を下に向けた手を首の方に持って行き、横にスライドさせた。
「…こうしないといけない可能性もある。村民を守れるのはアテラスだよ」
ガブリエルさんが言ってることも分かるけど、それでも殺すのはやりすぎな気がする。
「ただの小悪党ならアテラスがいるから狙わない、狙うのはそれなりの覚悟を持ってる悪党だよ。やるかやられるか…」
やるかやられる、か……と考えていたら不意に私たちが隠れていた戸棚が開いた。
「あっ、アマテラスとガブリエルさん発見っ!!」
嬉しそうに喜んでいるスゥを見てたら、
なんとなくだが決心はついた。
私が彼らを守らなきゃ……。
私は内ホルダーに納めてる銃をそっと撫でた。
それからもちょくちょく2人きりになっては、作戦を練っていた。
狙ってくるのは今日の夜から明日の朝にかけてだろう。
卑怯な奴らだから人質を取ろうとするだろうから銃か弓で敵だけを射る。
高度なテクニックは必要だけど、恐れなければ出来るはず。
でも、1発で仕留めれないと敵が人質を傷つける可能性もあるというリスクもついている。
「本当は僕もこっちにいたけど、いることがバレたら次は城が狙われるから…」
「大丈夫、みんなのお守りも付いているから!」
少しだけ緊張感が出てきたが、それを悟られる訳にもいかないので私は無理して笑った。