With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
「なぁ、今日バァバにどんな予言された?」
ふとスゥが聞いてきたので、私が言われたままに話した。
「過去にとらわれる、かぁ。過去の自分は嫌い?」
過去の私…実親と暮らしていた時は感情を押し殺して、静かだった。
戦争前にあの人といた時は普通にわがまま言って甘えたりしていた。
でも戦争中はいつの間にか人を殺した。
生きるためだからと自分に嘘をついて、私は殺人を楽しんでいた。
悲しそうな顔をしてごめんなさいと言いながら、心では嘲笑っていた。
「うん、大っ嫌いかな。できれば殺してしまいくらい……」
私がそう言うとスゥは私の手に自分の手を重ねてきた。
「手、開いて。そんなに強く握ったら傷つくよ」
ハッとして私は手を開くと血は出てないが、爪痕はくっきり残っていた。
「大丈夫!今のアマテラスは素敵だよ!…それにアマテラスがいなくなったらリュウが悲しむしさ?」
そう言ってスゥは私の肩をポンと叩いてくれた。
「俺は過去がどうであれ、アマテラスは良い人だと思ってる!過去なんて過去でしかないからさ?」
俺たちももう寝よう、と言ってスゥは布団に入っていった。
バァバの予言のせいで重苦しくなったこころが驚くほど軽くなったことに気づいた。
「ありがとう、スゥ。私が話せると思った時、過去のこと聞いてね」
「うん、全部受け止めてあげるからね」
それから私たちはおやすみ、と言った。
私は目いっぱいリュウにくっつき、その手を優しく握って眠りについた。
ボフッとあまり軽くはないものがお腹らへんに重みを与えてきた。
「ーぁゔっ!!」
「ーおはよう、アマテラスさん!」
目を開けると私の上にリュウが乗っていた。どうやら私の上にダイブしたみたい。
可愛らしくないうめき声を上げてしまった…。
「…おはよう、リュウ!もう朝か…」
私は早速リュウを抱きしめていると、包丁とまな板がリズムよく音を立てていた。
私はキッチンに行くとエプロン姿の彼は
「おはよう」と言いながら私に一杯の水をくれた。
「あっ、リュウ!アマテラスの事どうやって起こした?」
「お兄ちゃんと一緒の起こし方!!」
「あー、遅かった!…あれなかなかの衝撃だからな」
「少しびっくりしたけど可愛いから許す」