With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
少し大きい公園に到着し、砂場でリュウと一緒に大きなお城を作る。
「ここに穴を開けて…トンネルを作れば…はい、完成っ!!」
無事に出来上がったお城を満足そうにリュウと見てると、人が集まってきてしまった。
「見てっ!アマテラスさんだぁ!」
「うわぁ、本物だ!やばい!!」
とこうも騒がれてしまってはリュウとのびのびと遊べない。
「ごめんね、リュウ。思うように遊べないや」
「大丈夫!みんなのアマテラスさんを独り占めしたらダメだもんねっ!」
そう言ってリュウがスゥの元へ行くと、私はあっという間に囲まれてしまった。
握手などに答えながらも、リュウの言葉が気になる。
彼らの方をちらと見るとスゥの手を握ったリュウがこちらを悲しそうに見ていた。
まだ5歳とちょっとの子供があんなこと普通は言えないだろう。
もっと甘えてほしい、そう思ったので私はリュウの元へ歩く。
「リュウ、遠慮しないで遊ぼう⁇」
私はしゃがんで手を差し出すと、途端にリュウの目が輝きだした。
それからは握手等もほどほどにしてリュウとスゥと思いっきり遊んだ。
すっかり服も顔も汚れた私たちはお家に帰り、お風呂に入る。
木でできてるお風呂はとても気持ちいいし、なにより私がいつも入ってるお風呂よりも広いのが嬉しかった。
それから夜ご飯は私が日本食を作ることにした。
ちなみに食材は持ち込んだものを使った。
「リュウ、味見してくれる⁇」
私が呼ぶと遊んでいたリュウはすぐに来て、お味噌汁を味見する。
「初めて飲んだけどすごく美味しい!」
そう言ってお皿に盛ったお味噌汁を全て飲み干していた。
リュウは頼られるのが好きだと気付いたので、頼めそうなことは頼むことにした。
でも甘えるのはもっと好きなようだ。
その証拠に試しにお風呂を誘ってみたら
「いいの⁉︎」と言って嬉しそうだった。