With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
「アマテラスの部屋はこっちね」
そう言って連れてこられたのは屋根裏部屋だった。
1Fはリビング、2Fはリュウとスゥの部屋で、2人の部屋の中にある階段を登れば屋根裏部屋だ。
「僕も今日は屋根裏部屋で寝る!」
「ダメだ、アマテラスが寝れないだろ?」
2人でそんなことを言い争ってる様子がとても可愛らしい。
結果はリュウが拗ねて終わったようだ。
「リュウ!良いものあげる!」
そんなリュウに私はバッグからチョコレートをあげる。
もともとリュウにあげようと持ってきたものだった。
「わぁぁ!ありがとうっ!!」
ものすっごく笑顔で、チョコの匂いをかんでいる。
ものすごく単純だぁ、と思って笑ってしまった。
「はい、これ!全部あげる!私食べきれないから腐らせちゃう!」
スゥにもたくさんの食べ物を渡すとこちらもとても喜んでいる。
さすが兄弟、反応が似ている。
それから私たちは12時になったのでお昼を食べることになった。
リュウはリビングで遊んでいる中、私とスゥはキッチンに立つ。
アトリ村の郷土料理を作ってくれるそうなので、料理はまかせて私はお皿洗いなどをしている。
「…俺らさ、両親に捨てられてここの村長に拾われたんだ」
突如、話し始めたスゥはこちらを見ずに野菜を切っている。
「リュウは小さくて母親のこと覚えてないけど、少しだけくれた愛情は覚えてるみたいなんだ…だからアマテラスの事を母親と重ねてるんだと思う。
俺は男だし不器用だから、優しい愛情とか与えられなくて村の子が母親と歩いてるの見て悲しそうな顔するんだ」
スゥは遊んでるリュウを見た。
その目をとても悲しそうだった。
きっとスゥだって母親の愛情を求めていたに違いない。
でもリュウがいるから自分はしっかりしようと頑張ってきたに違いない。
気づいた時にはスゥの事を抱き締めていた。
「…スゥは立派なお兄さんだし、立派にリュウのこと育ててると思うよ!
不器用でもスゥの愛情はリュウにちゃんと伝わってるから!大丈夫だよ!自分のこと認めてあげて」