With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
「本当にテレビで言ってた『リュウ』はこいつのことなんですか?」
後ろの方からそんな声が上がったので、私はリュウを見る。
「そうです、このリュウです!リュウは皆さんを助けたくて2度に渡り、わたしに手紙をくれました」
そう言えばみんながリュウを褒める言葉を口にした。
「良かったね、リュウ!!」
「うん!アマテラスさんが来てくれたおかげだなぁ〜」
そう言ってリュウはしっぽをぶんぶんと振っている。
本気でお持ち帰りしたくなる可愛さだ。
「ー初めまして、スゥと申します」
私がリュウを撫でていると、村民の群れの中から1人の青年と思われる人が出てきた。
「俺とリュウでこの村を案内させていただきます」
深々と礼をした彼はなんだかリュウが大人になったような容姿だ。
まだ朝早い為、村民は続々と家へと戻った様子で私と村長、リュウとスゥさんだけが残った。
私達は村の入り口付近にある役所に行くと、数々の伝統品などが飾られてあった。
「あ、この人形はリュウが私にくれた奴に似てるかも!」
その中であのギョロ目の人形があった。
でもリュウがくれた奴よりもなんというか丁寧な作りだ。
「うんっ!あれは僕の手作りなんだ!」
なるほど、と納得しつつも手作りで作ってくれたとは嬉しさ倍増だ。
そこで村長さんは仕事があるからと言い、お別れをして3人になった。
「お兄ちゃん!次はバァバの家?」
「うん、そうだよ」
お兄ちゃん…という事は思い、「ご兄弟なんですか?」と聞くと2人とも同じタイミングで返事をした。
だからこんなに容姿が似ているのか。
違いといえば体の大きさと目の色だけだ。
道中話していると、スゥさんは私と同い年で今年で17歳ということが分かりタメ語になる。
「ここかバァバの家だよ、占い師だ」
小さな村の奥にあった木のお家はなんだか他の民家とは違い、何かが漂っている。
スゥさんがノックすると中から羊の角を生やしたお婆さんがでてきた。
「…アマテラスだね?お入り」
そう言われ家に入ると不気味な家具がずらずらと並びそれが怖いのか、リュウが私にくっついてきたので抱っこした。
「…スゥ、リュウ、悪いが2人にしてくれ」
突然そう言われ私はリュウをスゥさんに渡し、バァバの正面の席に座る。