With Live Planet _この星で生きる_
第10章 私は誰でしょうか
それでもなんとか10分間戦い抜き、
私は自分の体をチェックする。
服や顔、髪にもインクは付いていない。
対してガブリエルさんの拳銃を握っていた方の手に赤インクが付いていた。
「そんな長い髪にも付かないなんて…流石だね」
とガブリエルさんにお褒め頂いたところで決まった質問をする。
「ガブリエルさんにインクがついた瞬間
分かった人ー?」
…2人だけかぁ、ほとんどの人はガブリエルさんが止まった瞬間やっときづいたようだ。
「ーこれやる意味なくない?」
「私もそう思います」
とこっそり言った後、また通常の訓練にもどった。
それからも午前と同じように行い、16時に終わりを告げた。
片付けや報告書が終わった17時頃に私は自室へ戻った。
すぐにテルシーさんに電話をかける。
「あ、もしもし。アマテラスです。今大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。どうした?」
こう始まった会話で、私はアトリ村に行く事をガイア様にお話をしたいという事を伝えた。
「転移装置で行ってくれ。話はつけておく。転移番号は1270×××だ。30分後だ、いいな?」
そこで電話は切れたので、私は汗を洗い流すため急いでお風呂へ入る。
それから軍服に着替えて、普段は内ポケットに入れているガイア様からもらったネックレスを首にかけた。
宝石の中に宇宙が広がっているようでとても綺麗で神秘的だ。
「って、あと5分しかないっ!いそがなきゃ…」
私は急いで離れた転移装置へと走った。
内臓がふわっとしたと思ったら前に来たことのある扉の前に来た。
扉を開けて進んでいくと、またあのお花畑のようなところだった。
「ガイア様っ!突然すみません…」
椅子に座っていたガイア様近寄ると、優雅に紅茶を飲んでいた。
「いらっしゃい、アマテラス。どうした?」
私も席に促され、ついでに紅茶も頂いた。
「えっと、この手紙を見て欲しいのですが…」
ガイア様は手紙を読みながら相槌を打ち、リアクションをする。
「今度アトリ村に行き、リュウを助けたいんです。なのでもし何かあったら転移陣の設置をお願いしたいのですが…」
私がそう言うと手紙から顔を離したガイア様はなぜか涙を流していた。
「うぅ、行ってこい!行ってこい!」