With Live Planet _この星で生きる_
第9章 戦闘士補佐の問題
「…て、…ラス!アーテーラース!」
綺麗な声が耳に伝わり、体が甘く痺れる錯覚に陥る。
徐々に目が開き、最初に見えたのは紅色の凛々しい目。高い鼻。形の良い唇。
この持ち主は………
「ーガブリエル、さん?」
私はその顔が愛おしくなり、手を伸ばすと暖かい頬に触れた。
そして、その手の上にガブリエルさんが自分の手を重ねた。
いつの間にか私はガブリエルさんに膝枕されながら寝ていたようだ。
「おはよう、もうすぐ時間だよ」
優しい笑みで私に話しかけてこられると
いつの日にか気づいた恋心が隠しきれなくなりそうだ。
「…おはようございます。足痛くないですか?」
もう少し余韻に浸っていたかったが私は起き上がりつつ、ガブリエルさんを心配する。
「うん、軽いから大丈夫だよ。…疲れは取れた?」
そう言いながら、私の髪を整えてくれた。こんな事されたら疲れなんか吹っ飛びそうだ。
「はい、おかげさまで!」
私はそう言いながら、お水を一杯飲むとすっかり意識が覚醒した。
「あと20分後に食堂か〜」
どうやらガブリエルさんは2人とも一度眠ったけどあの後すぐに目が覚めたらしい。
ふわぁぁっ、と欠伸をしながらいつもより細い目をしたガブリエルさんが私と目を合わすとさらに細くして微笑む。
やっぱり、私はガブリエルさんが好きだなぁ
何て思ってたら顔が熱くなるのを感じた。伝えたらどうなるだろうか。
まだガブリエルさんは私のことを好きでいるだろうか。
「ガブリエルさん…?」
私がほぼ目を閉じてるガブリエルさんの名を呼ぶと、少しだけ目が開いた。
「アテラス〜…」
私の名を呼んだと思ったらそのまま私に抱きつくように倒れて動かなくなった。
そしてすぐに耳元で寝息が聞こえてきた。
こちょばしくて動きそうになったが我慢して背中に腕を回す。
「好きです…ガブリエルさん」
私がボソッと言うと一瞬だけ眉を動かしたが、起きはしなかった。