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With Live Planet _この星で生きる_

第9章 戦闘士補佐の問題


「お姉ちゃんを虐めないでよぉ〜」


トューさんは口では可愛く言っているが、刃の振り回し方は男のようにダイナミックだ。

それになんというか…目が狂気的。


一方、アテラスさんの方はお手本のような交わし方をしたところ、まだまだ余裕そうだ。


ワンさんもトューさんも普通の人よりも強いのかもしれないが、アテラスさん相手では遊びのようだ。

先ほどからアテラスさんはスタート位置からあまり動かずに長い手足だけで近づいてくる敵に攻撃している。


「制限時間の残りは1分です」


私は腕時計を見て、彼女達にそう言うと、アテラスさんはこちらを見ていた。


「それでは、反撃しますっ!」


アテラスさんが手を挙げ、わざわざ宣言している姿に少々笑ってしまった。


ようやくその場を離れたアテラスさんは
アクロバットな動きで彼女達を責める。


トューさんに肩車されるように抑え込んだアテラスさんは「よっと!」と、声が聞こえた時にはトューさんは床に倒されていた。


パキンッ


アテラスさんが奪ったトューさんの長剣の刃を折り、床に投げ捨てる。


「残りは26秒!」


アテラスさんは余裕そうな笑みを浮かべてるが、一方でワンさんはイーブンになったからか顔をしかめている。


一方的な攻めをアテラスさんがした結果、残り10秒くらいのところでワンさんから武器を奪う。


アテラスさんが見せつけるように刃を折る。


「ーあっ…やっちゃった…」


勝負あり、と言おうとしたらアテラスさんはこちらに自分の掌を見せてきた。


その手からはほんの少しだけ血が滲んでいる。


「折る時にかすっちゃった…」


刃を落としながら、アテラスさんは笑って血が滲んだ部分の舐めている。


「何やってんのさ、ほら絆創膏!」


すかさずリエルが絆創膏を取り出して、
処置をしていた。

まぁ、とにかく勝負はついた。


「勝負ありです、勝者はアテラスさん」


私がそう言うと双子が口を開いた。


「ちょっと待ってくださぁい、アマテラスさんはぁ、指を切ったじゃないですかぁ?」


「だからぁ、私たちの勝ちじゃないですかぁ?」


まさかの双子攻撃に唖然としてしまう。



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