With Live Planet _この星で生きる_
第9章 戦闘士補佐の問題
補佐候補の2人は双子というだけあり、顔だけ見ればものすごく似ているが、髪の色が金髪と茶色なので見分けはできる。
どちらも肩までのミディアムヘアーでどちらも目の色は茶色だ。
服はおなじみの軍服である。
「そこの席にお座りください」
ウリさんがアニュアル通りの言葉を発したので、私は手元の資料に目を落と
「「はぁ〜いっ!」」
そうとした…が思いっきり双子の方を見てしまった。
甲高い甘ったるい声で恥ずかしそうに
2人が席に座る。
私は左隣のガブリエルさんの方を見ると、彼もこちらを目をまん丸にして見ていた。
「え、えっと、それでは面接始めますね」
さすがのウリさんも困惑したのか、あまり歯切れが良くない。
私も気を取り直して資料の名前が書いてあるところを見る。
「オネ……?」
私が不意に声を漏らすと、双子を除く人たちが笑い始めた。
「アテラス、それはオネではなくワンだろ?」
右隣のラーファさんが私に教えてくる。
資料には【One・Stuart】と書いてあった。ローマ字読みではなかったようだ。
「はい、ワン スチュアートですぅ、よろしくお願いしますぅ」
語尾が少々伸びてるのが気になる金髪少女は私たちに礼をした。
「私はぁ、トュー スチュアートですぅ、よろしくお願いしますぅ」
もう片方もやはり語尾が伸びてるし、動きもクネクネしているしなんというか…。
それでもウリさんのスルースキルのおかげで着々と質問が進む中驚いた答えがあった。
「なぜ補佐になろうと思ったのですか?」
普通は「第一級戦闘士に憧れたから」
などと答えるだろう、と思った。なのに……
「「ガブリエルさんにお近づきになりたかったからですぅぅ♡♡」
前のめり気味に2人はガブリエルさんの方を見て、LOVEを伝える。
ガブリエルさんは「ひっっ」と可愛そうなほど怯えた声を小さく出した。
まぁ、誰だってそうなるだろう。
「あ、そ、そうですか…じゃ実践移りますね!準備があるのでここで待機を……」
ウリさんは慌てて、私の方を向く。
面接時間は約15分の予定だったがまだ5分しか経っていない。
別の部屋にいそいそと移動した私たちはおもいっきりため息をつく。