With Live Planet _この星で生きる_
第7章 アースベインの女神
「ミカさん!今日はなんのお料理を出してくれるんですか⁇」
キッチンでエプロンをつけたミカさんが忙しそうにカチャカチャと料理を作っている。
「わー!アテラスちゃんは見ちゃダメッ!お楽しみなの!」
そう言って私の背中を押して、キッチンから出した。
よく見えなかったがなんだか懐かしい匂いがした気がする。
ミカさんの作る料理にハズレはないので楽しみにしながら私はリビングでみんなとお話しをした。
それからも大いに盛り上がる中、私の発言で誕生日の話となった。
「みなさんのお誕生日は?」
「私は2月16日です」とウリさん。
「俺は10月23日だ」とラーファさん。
「僕は12月25日」とガブリエルさん。
最後にキッチンから「俺は6月13日だよー!!」とミカさんだった。
全てメモして私は誕生日会したいなーと考えつつ、妄想を膨らます。
「アテラスはどうなんだ?」
「私は……いつだっけなぁ?忘れました」
これは冗談じゃなくて本当の事だ。
小さい頃から祝ってくれた事はないし、
もちろん教えられてない。
でも兄がいつも同じ日付に祝ってもらっていたから『誕生日』は知っていた。
「あっ、深い意味はないですよ?…誕生日を祝う習慣がなかったから!」
変な空気にしたくなかったから慌てて
嘘をついといた。
この宴に同情を誘うような話は必要ない。
他の人も私の話を聞いてそういう事か、と安堵していた。
でもガブリエルさんだけは私が言った意味を理解してしまったみたいで、眉毛を8の字にしていた。
「ガブリエルさん!カクテル、作ってください!ね?」
私が空になったグラスをガブリエルさんの前に差し出すとガブリエルさんは受け取ってくれた。