With Live Planet _この星で生きる_
第7章 アースベインの女神
「実はな、私には子供が2人居たんだ。
1人は男の子で1人は女の子だった。
男の子は元気に育ったが、女の子の方は連れ去られて人間に殺されてしまった。
だから人間がとても憎くて…怖かったんだ」
当時を思い出したのか、悲しそうに、怒ってるように見える顔で話す。
「だが、自分を傷つけてまでもこの星を守ろうとした姿に感動した。
アマテラス、ありがとう」
今度はガイア様が私に頭を下げてきたので、慌ててあげさせた。
「当たり前の事をしただけですから!」
頭を上げてくれたガイア様は自分が着ていた服のポケットから小さな紅い箱を取り出した。
「これは…?」
開けるように促され、恐る恐る開けると
中にはネックレスが入っていた。
「君にこれを授けたい。
帝国に代々伝わるものなのだが、身につけた者は永久の守りを約束される。
受け取ってくれるか?」
銀色のフレームに真ん中には星空もチームの宝石が埋められている。
ガイア様がわざわざ私のために…
「はい、ありがたく頂きます」
私がそう言うとガイア様はネックレス
を取り、私の背後に回る。
「汝、彼女を永久守り給え。司りし神の間にその意集うと存ずる。しかりては………」
難しいお祈りのような言葉が続く中、
私はこの言葉を知っているような気がする。確かそれは………
「「大地の神、ガイアにおいて知己高く
4大臣に感謝給う……」」
私とガイア様の言葉が見事に被った。
「なぜ、この祈り言を知っているのだ⁉︎
この祈り言は帝国家にしか伝わってないはずなのだが…」
ガイア様はネックレスを手にしたまま、
驚きの表情を浮かべている。
しかしその問いには答えられない。
なぜなら、わたしも分からないからだ。
そのままガイア様は私にネックレスを着けてくれ、私の首元で光っていた。
「似合うな、やはり。…これからもこの星を頼むぞ。時間を頂いて悪かった」
ガイア様は満足げに微笑むと、「転移陣」というものを作り出した。
「行き先はミカエルの部屋だ。またな」
そう言って私がふわっと感を味わった1秒後にミカさんの部屋の前の廊下にいた。