第1章 始めに
ぼくの憧れのお姉さんはいつも得体の知れない力に苦しめられていた。ぼくの目の前で突然蟻地獄の砂の中に引き釣りこまれそうになったり、見えない何かと会話したり、助けてあげたかった。
「大丈夫、あなたは一人じゃないわ」
いつも、ぼくがお姉さんに助けられるんだ。
お姉さんが独り言を言っている。
「そう、そんな事になったのね。私も戦うわ」
お姉さんは、いったい何と戦うの?
ぼくはお姉さんと手を繋ぎながら、何かから逃げるように移動をしていた。
何から逃げているのか、ぼくには分からない。
とにかく、何かと戦っているようだ。
まるでこの世界には、ぼくとお姉さんしか居ないかのようだった。
お姉さん:「ねえ、アルベルト博士のお化け屋敷知ってるでしょ?」
ぼく:「うん。知ってるよ」
お姉さん:「そこまで逃げれるね?」
ぼく:「うん。行ける。お姉さんは?」
お姉さん:「大丈夫。直ぐに会えるから・・・きゃ」
お姉さんは、ぼくの目の前で地面に引き釣りこまれて行く。
ぼくは、突然のことに驚き体を強張らせて動くことが出来なかった。
地面から手だけが出ていた状態で、お姉さんは止まった。
そして、自力で地面から這い上がってきた。
ぼく:「ぉ、お姉さん・・・だ、大丈夫?」
お姉さん:「大丈夫よ。アルベルト博士のお化け屋敷まで逃げてね。そうね。大丈夫よね」
お姉さんは、別の誰かと話をしているようだった。
ぼくとお姉さんは「アルベルト博士のお化け屋敷」に向かった。
ぼくがお姉さんを守るんだ。
「アルベルト博士のお化け屋敷」まで、お姉さんの手をしっかり握って行くんだ。
何処からか空襲警報が鳴り響く、遠くの空は真っ赤に染まり、戦争状態にあることが分かった。
ぼく達は何と戦っているの?
辺りが暗くなると、得体の知れないバケモノが地面から這い上がってきた。
ぼく達は昼夜問わず、走り続けた。
バケモノからお姉さんを守るんだ。