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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)




「この者を閨に」


クレイオが初めて見初められたのは、7歳の時。
その頃、“姉妹”達はすでに数十人に減っていた。

閨に連れていかれた姉や妹達がどのような目に遭うかはもう知っている。
奉仕が気に入らなかったからと、そのまますぐに下界に落とされた者がいることも知っている。


「・・・・・・・・・・・・」


泡風呂の中で身体を清められながら、クレイオは天窓から見える空を眺めていた。

世界の頂にある聖地マリージョア。
天竜人が住まうこの地よりも高い場所はない。

もしかしたら、今日が空に一番近い場所で生きる最後の日になるかもしれない。
下界は臭い空気が蔓延している不潔な場所だと、天竜人達は忌み嫌っている。

マリージョアが“天国”とされるならば、“地獄”とされている下界はいったいどんな場所だろうか。

そんなことを思いながら幼い少女は、清潔になった身体に香油をふりかけられ、天竜人の待つ寝室に向かわされた。


「No.217をお連れしました」

No.217とは当時のクレイオの“名前”。
ここで生まれた子ども達は順番に番号を振られていた。

「ふむ・・・お前は美しく育っているようだえ」

記録によれば、No.217の父親はサウスブルーの騎士、母親はノースブルーの修道女。
母親は娘を生んだあとに自害している。

だが、美しい奴隷さえ産んでくれれば、母や父がその後どうなろうと、天竜人にとってどうでも良かった。

「突っ立っていないで、さっさとわちきの所へ来い」

天竜人のベッドの周りには、従者がずらりと囲んで見張っている。
枕元にはローションや拡張器など性具が並んでいた。

悲しいことに、クレイオはそのおぞましい玩具をどのように使えば良いのかを知っていた。
さらに、天竜人が悦ぶ奉仕の仕方も。

「・・・かしこまりました」

世界で最も高貴な人の相手をするため、礼儀作法や教養はもちろん、床技まで仕込まれながら育った7年間。

クレイオは一礼をしてから、贅肉を揺らす天竜人の待つベッドに上がった。









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