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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第6章 真珠を量る女(ロー)





案の定、海上は酷い有り様だった。

四方八方から高波が押し寄せ、巨大なヤルキマン・マングローブがへし折れそうなほど強風にあおられている。

「とりあえずどこでもいい、船を島に寄せろ!」

昼間だというのに、空は厚い雲が広がり、まるで夜のような暗闇に包まれていた。
それでもなんとか船着き場らしきところを見つけ、船を停泊させる。


「ひでェな、これは・・・」


シャボンディ諸島を変えたのは、白ひげの“グラグラの実”の力だけではない。
マリンフォードを中心として広がった、赤犬の“マグマグの実”、青キジの“ヒエヒエの実”の力が、近隣諸島の気候すら変えていた。

「ここは28番GRか・・・不幸中の幸いとはこのことだな」

クレイオの両替商があるのは29番GRだ、ここからそう遠くないはず。
台風のような悪天候の中、ロー達は船から降りると店を目指した。


「すごい風だ・・・!!」


それでも行かなければならない。


“あの方がいなければ、とっくにホリヨシの血は途絶えていた”


ドフラミンゴは何故、ホリヨシの血を守ろうとしているのか。


“貴方との間に何があったか知らないけれど・・・私にとって若様は恩人なの”


その理由をどうしても聞かなければ。
返答によっては彼女に再び刀を向けなければいけない。

ドフラミンゴが生み出している悲劇の、重要な役割を担っているならば───


「・・・皮肉なものだ」


クレイオ自身が刻んだローの覚悟は、亡きコラソンの代わりにドフラミンゴの暴走を止めること。

必要とあれば、抱いた女でも殺さなければならない。


「・・・・・・・・・・・・」


強い雨に打ちつけられながら目を凝らすと、前方に小さな店が見えてきた。
間違いなくそれは、クレイオの両替商。

窓からは小さな明かりが漏れていた。







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