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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第6章 真珠を量る女(ロー)







ポーラータング号がシャボンディ諸島に戻ったのは、頂上戦争から1カ月後のこと。

前回ここに来た時は、浮上しながらのんびりと航海してきた。
しかし、今回それができなかったのは、酷い嵐のせい。

「白ひげの“グラグラの実”は、海流そのものを変えてしまったみたいだ!」
「死んでから1カ月経ったというのに、なんて海賊だよ、白ひげは!!」
「シャチ、横からの海流に気を付けて!!」
「んなこと言ったって、レーダーがめちゃくちゃで何も分からねェよ!!」

操縦桿を握るべポと、レーダーを見ているシャチは必死の形相だ。

女ヶ島を出発してカームベルトを抜けたのが2週間前。
マリンフォードに近づくにつれて海流は荒れ、本来の倍以上の時間がかかってしまっている。
窓が無く、狭い艦内でスシ詰めになっていれば、ストレスも相当たまるだろう。
クルー達はどこか殺伐としていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・」

ローは右に左に大きく揺れる船内で、手の平の上のビブルカードをジッと見つめていた。
この紙きれの“持ち主”がシャボンディ諸島にいなかったら、苦労してここまで来たのが水の泡になる。

「キャプテン、ビブルカードはどこの方角を指してる?!」
「・・・2時の方角だ。面舵を取れ、べポ」
「アイアイ!!」


ドフラミンゴはクレイオにこう言っていた。


“ディスコは捨てたが、お前は大事な部下だ”


「ドフラミンゴに見限られたディスコが、いつまでも島にとどまっているとも限らねェか・・・?」


このビブルカードの持ち主は、“歩くスーパーバザール”というイカれた肩書きを持つその男。

ログポースの磁気を発していないシャボンディ諸島へ辿り着く、一番手っ取り早い方法がビブルカードだ。

もともとは月に一度開かれる人間オークションに参加する富豪に渡されたものだったが、ローが闇取引で手に入れていた。

魚人島へ行くため、そして、ドフラミンゴが経営するヒューマンショップを一目見るために。






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