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【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第6章 真珠を量る女(ロー)








“そいつをここから逃がす!!!”

“一旦おれに預けろ!!!”



───悪縁も縁。


三大勢力がぶつかる大戦争の中に飛び込んでまで、“麦わらのルフィ”を助けなければいけないと思ったのは・・・



「心電図は?!」



ドフラミンゴや政府の人間に見つかる危険があっても、彼を救えるのは自分しかいないと思ったのは・・・



「キャプテン、心室細動です!!」



この男に強い“縁”を感じていたから。
そしてそれはきっと・・・



「除細動をかけるぞ!! シャチ、心臓マッサージを代われ!!!」



彼も自分と同じ“D”の名を持つ者だから・・・という理由だけでは収まらないだろう。



潜水艦の一番奥にある、手術室。
ところ狭しと置かれている医療機器の合間にあるベッドに横たわるルフィは、身体的ダメージと精神的ダメージの両方が限界を超えていた。
心臓の筋肉が細かく震えて血液を送り出すことができず、みるみるうちに顔が紫色になっていく。

船員は慌てて電気ショックを与えるため、除細動器のスイッチを入れた。
しかし、ローは驚くべき行動に出る。


「“ROOM”!!」

「キャプテン、何を・・・?!」


“オペオペの実”の能力を発動し、妖刀「鬼哭」を患者に向かって突き付けた。


「忘れたのか? コイツは全身がゴムだ・・・外部からの電気刺激は心臓まで届かねェ」

「あ・・・そうだった・・・!! ど、どうするんですか・・・?!」

「心臓に“直接”電気ショックを与える」


執刀医の言葉に、クルーは唖然とした。

だが、一刻の猶予もない。
このままだと数分もせずに麦わらのルフィは死ぬ。


「お前ら、離れてろ」


ローは長刀を一振りすると、ルフィの胸から心臓を抜き出した。
それは異常なほど早く鼓動し、破裂せんばかりに膨れている。


「放っとけば間違いなく死ぬ命だ・・・助けられなくても恨みっこ無しだぜ、麦わら屋」


心臓に両手の親指を添えると、死の外科医の口元に笑みが浮かんだ。



「カウンターショック!!」



因縁

悪縁

奇縁

宿縁


全てが“縁”だとしたら、それも定められた運命。



「───戻ってきやがれ、麦わら屋!!!」



ゴム人間の命を救えるのは世界でただ一人。

トラファルガー・ローだけだった。










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