• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第5章 花火 ~君に残す最後の炎~ (エース)



中では一人の海兵が、ちょうどお茶を啜っているところだった。

「どうした?」
「ちょっとすみません、白ひげ海賊団のことで・・・」
「し、白ひげ?!」

穏やかな午後のひと時、まさか世界最強の海賊の名前を聞くことになるとは思っていなかったのだろう。
海兵は勢いよく緑茶を吹き出した。

やはりそうだ、普通の海兵ならばその名前を聞くだけで震えあがってしまう。

「し、し、白ひげがどうかしたのか?!」
「白ひげ海賊団の隊長格の手配書を見せていただきたいのですが」
「隊長達の手配書・・・? ちょっと待っていてくれ」

海兵は慌ただしく手配書のファイルが並べられた棚に向かうと、その一番上にしまってあった一冊を取り出した。

「白ひげ海賊団の隊長格といえば、“不死鳥マルコ”、“ダイヤモンド・ジョズ”、“花剣のビスタ”・・・」

名前を聞いただけで震え上がる人間もいるほどの大海賊たち。

「“水牛アトモス”に・・・“火拳のエース”」
「それ!!」
「え?」
「あ、その・・・今、出してくれた全員の手配書と白ひげ本人の手配書を見せていただけますか?」
「ああ、構わないが・・・」

エースの名前が出た途端に声を出したクレイオを不審そうに見ながら、海兵は手配書の束を渡してきた。

他の海賊にも興味があるようなフリをしつつも、見たいのはたった一人のもの。


「火拳・・・ポートガス・D・エース・・・」


手配書のエースは、オレンジ色の帽子に赤い数珠のネックレスという、今とまったく同じ格好をしている。
不敵な笑みを浮かべながら突き出している左手の指は火と一体化し、まさに“火拳”の通称にぴったりだった。

そして、何よりもクレイオを驚かせたのは、その懸賞金。


「ご・・・5億5000万ベリー・・・?!」


彼女にとっては眩暈を覚えるような金額だった。




/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp