第5章 花火 ~君に残す最後の炎~ (エース)
私は海賊です。
貴方からすれば、航行中の商船を襲い、島に上がれば集落を荒らし、金、食料、酒、女を奪っていく、極悪非道の輩でしょう。
自らの力を誇示するために平気で人を殺し、自らの欲求を満たすために平気で嘘を吐く残忍な輩でしょう。
それでも、貴方には伝えておきたいのです。
私が「愛している」と言った時は、嘘偽りのないことだと信じてください。
私が「永遠」と言った時は、決して貴方を一人にはしないと信じてください。
そして、どうか・・・
どうか・・・
私が「さようなら」と言った時は、泣かないでください。
その言葉を貴方に伝える時は、私の命の炎が消える時でしょう。
でも、どうか信じてください。
私の「愛している」と「永遠」は、
「さようなら」のあとも変わらず、貴方のそばにあります────
私は海賊です。
同時に、貴方を愛する一人の男です。