• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~





海原を目指して進むメリー号はもう、米粒のように小さくなってしまっている。

だけど、クレイオの目からは涙が止まらなかった。
自分の誕生日を祝ってくれる人がいる、それだけでとても幸せだった。

そんなクレイオの瞳にさらなるサプライズが映る。



ドォン・・・!



「・・・え?」



ドォン・・・!



その音は、炭鉱事故の爆発音にも似ていた。
だけど、多くの人の命を奪った火とは違い、それは大空に咲く大輪の花。



「花火・・・?」



麦わら海賊団からのバースデープレゼントが、空に花開く。
まさに、クレイオがこれから進む道を明るく照らしてくれるようだった。

これほどの誕生日プレゼントがあろうか。



「ありがとう、麦わらの一味・・・」



そして・・・



「ありがとう、ロロノア・ゾロ」



悲しみも、苦しみも、痛みも、もう過去のもの。

私はこれから生まれ変わる。
だって今日は・・・



「私が生まれた日だから───」



かつて娼婦だった女にはもう、絶望の色は一切ない。

この島の人達はきっと、いつか許してくれる。
信じてさえいれば・・・


クレイオはすでに見えなくなってしまった海賊船に、いつまでもいつまでも手を振っていた。






第2章 「ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~」 Fin.






/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp