第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~
「よーし、野郎ども! 帆を張れ!!」
港にルフィの明るい声が響く。
別れの時が近づいていた。
船に乗り込んでいく麦わらの一味全員はとても生き生きとしていて眩しい。
「じゃあな、クレイオ!!」
手を振るルフィの隣にはナミ、サンジ、ロビン、ウソップ、チョッパー。
そして、少し離れた場所にゾロ。
大きく張った帆には、麦わら帽子を被ったドクロのマークがでかでかと掲げられていた。
「みなさん、本当にありがとう!!」
出会えて本当に良かった。
貴方達がこの先の冒険でたくさんの強敵に出会うように、私の“戦い”もこれから始まる。
でも、怖くはない。孤独でもない。
私には、あのドクロを掲げた海賊団がついているから。