第13章 YELLOW SULTAN
『・・トラちゃんは優しいよ。
でも、小さい時意地悪してきたし、こういう事があると凄く怒るの・・・』
俺を見上げながら話すの目には、今にも涙が溢れ出そうとしていた。
あーぁ、無自覚だろうなこの子は・・
これ以上、を見る事が出来ず俺は天を仰ぎ見る。
「グララ・・、アホンダラそりゃ、先生もガキの頃があったんだな」
『・・ペポを勝手に連れ回した責任はあるからちゃんと送り届けなきゃいけない。
けど・・・』
会うのが怖い・・か・・・・
会いたくなきゃ、会わせたくはない。
そんな気持ちが俺の中に溢れる。
だが、ここで俺が連れ出していいものか・・
何故か眉を寄せ、を見るボルサリーノ。
さっきからへの対応が気になる。
に何かあるのか?
まさか、一目惚れ・・ねぇよな・・・?
「グラララ・・
娘っ子の気持ちはよく分かった。
ここは俺に任せて、その男に送ってもらえ」
『えっ?でも・・・』
ローに会う方へ気持ちを奮い立たせていたのだろう。
突然の申し出には、俺とエドワードに視線を彷徨わせた。
「・・ふぅ〜、じゃちゃん行こうか」
の手を取り促す俺。
この手を取るのに躊躇していたがエドワードの申し出は助かった。
「・・先生が来たら俺が連れ出したって言ってくれ」
エドワードに全て頼む気は無い。
敵視される事は目に見えている。
だが、守りたいと思った女。
責任は俺が取りたい。
「・・それじゃ、俺も失礼しようかねぇ〜
エドワードさん、またお話伺いに来るよぉ〜」
そう言って、先に庭園を出るボルサリーノ。
何を考えているんだ?
ボルサリーノの行動と言葉、全く考えが俺には読めなかった。
『・・あの、本当に済みません。
突然押し掛けて、ペポの事お願いしてしまって・・ 』
そう言って持っていた紙に何かを書き付けたはエドワードに手渡した。
先生に渡して欲しいと。
あれに何を書いたのか・・
おそらく、謝りの言葉だろうと予想する。
が、出来るならば渡して欲しくない。
これ以上、他の男にの記憶を残したくねぇ。
はぁ〜、これって嫉妬かねぇ・・・