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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第12章 LILAC




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『それで、日曜の事は無理せずゆっくり休んで下さい。
今日も手術でお疲れでしょうから』

助手席から聞こえる声。
俺を気遣うのは構わねぇが少しは危機感があってもよくねぇか?と、ハンドルを握る俺は苛ついていた。

家まで送るからその時話そうと、車に誘った俺が言うのも変だが、
何の抵抗も無く素直に男の車に乗ったには、少しも警戒心がない。

誰にでもそれだと困る。
現に、俺はをそのまま返そうとは思ってないからだ。


「俺とのデートはドタキャンか」

『えっ?違います!聞いてましたか?私の話!』

淡いブルーのワンピース。
一旦家に帰ったのかと思い、昨夜のワイシャツ姿が思い浮かぶ。

平静を保っていたが、内心はドロドロとした嫉妬の渦だった。
そんな俺を俺自身が1番嫌い、この気持ちに蓋を閉じようと思ったらからのデートの誘い。

まさに、罰ゲーム。
何十年も俺の心を占めていたのに解こうとすると、また占めてくる。
有耶無耶なまま流すのも手かと思ったが律儀に俺に会いに来る始末。

逃げる事は諦めた。
だから、を俺は逃がさない。



「腹減った・・・」

そう呟けば気軽に、ご飯行きます?と尋ねてくる。

「その前に一旦、マンションに帰っていいか?」

これには抵抗を示すだろうと高を括ったが、は俺の予想を遥かに飛び越した。

『あっ!あれからまだご自宅に帰ってないんですよね、私は大丈夫ですよ』

行って下さいと笑う。

俺の方は大丈夫じゃねぇ・・・
頭を抱えたいこの気持ちを呟いたがには聞こえなかった。





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