第31章 BURDOCK
ドフラミンゴは、その男の手を軽々避ける。
カーッと真っ赤に顔が染まる男。
屈辱的だったのだろう。
「ドフィ、ここは俺が・・」
「いや、いい。このタイプは面倒だ」
耳打ちするヴェルゴに返事を返したドフラミンゴは、携帯を取り出し何処かへかけ始めた。
「おいおい、どこに掛けてんだよっ!」
戸惑いの色を見せるのは男だけではない。
私もみんなもドフラミンゴが何をするのかわからなかった。
「バギーを出せ。
あぁ、ドフラミンゴだと伝えればわかる」
「バギー・・ドフラミンゴ・・??!」
赤みを帯びていた男の表情が段々、青くなり始めた。
「バギーか?
俺だ、お前んところの出版社との契約全て無かった事にする。
あぁ、契約中のやつも勿論、この前お前が頼み込んで来た案件も全てだ」
【いや!待てって!!】
受話器から漏れ聞こえる焦った声。
「おいおい、まさか・・」
「今、ドフラミンゴって・・」
ドフラミンゴが何をしたか見当が付いた。
出版社に電話をかけ、有無を言わせず契約破棄したのだ。
『ドフィ!待って!』
あまりにやり過ぎだった。
「俺のモノに手を出したんだ、タダで済むわけねぇだろ」
『・・・ダメだよそんなの・・
会社の事に私情を挟んだらいけない!』
「は黙ってろ」
思わぬ威圧にグッと口を紡ぐ。
今まで見た事無い怒りを露わにしていた。
「ヴェルゴ、を連れて行け」
『嫌よ!ドフィ!いくら何でもやり過ぎ!
さっきの電話取り消しなさいっ!!』
「・・ヴェルゴ」
「・・了解。
行くぞ」
私の腕を取り、担ぎ上げるヴェルゴ。
暴れる私をヴェルゴは無理矢理店から連れ出した。
『ヴェルゴ!降ろしてっ!!』
「ドフィの命令だ。諦めろ」
『あんな事ドフィにやらせたらダメ!
社長がとるべき行動じゃない!!』
「・・、ドフィは社長だがその前にただの男なんだよ。
わかってやれ」
『・・でも』
納得出来ない。
相手を黙らせる方法は他にもあったはず。
いくら何でも、あのやり方は間違ってる。
私は初めて、ドフラミンゴを怖いと思った。
オマケ→