第30章 SWEET PEA
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「わかった!わかったから、落ち着いて話せ、な」
まるで犬を落ち着かせるかの様な態度のキッド。
私は、グラスを乱暴にコースターへ戻しながら言い放った。
『だから!ドフィは私を何だと思ってるの!って事よ』
酔っ払ってるわけではないが何度も同じ事を言っていた。
それ程、今回の事は我慢出来なかった。
「順序だてて説明してくれッッ」
訴えるキッドに私は渋々、事の成り行きを話し出した。
『ひょんな事からドフィの家に
「ちょっと待て!
今更だけどドフィってオーナーの事か?」
『・・そこは突っ込まないで』
「・・ひょんな事って?」
『そこも突っ込まないでッ!』
腑に落ちない様子だが、先を促したキッドに気を取り直して話し出した。
『それで、新しい部屋を借りるまでドフィの家にお世話になる事になったんだけど・・・』
頷くキッドに経緯を説明した。
『部屋を探してくれるのはありがたいよ。
でも、お金出してもらうのは違うと思うの!
いくらドフィが出すって言っても今までの光熱費も買ってくれた洋服とかも既にいろいろしてもらってるのに・・・』
今、着ている服だってバッグだってアクセサリーだって全てドフラミンゴがお金を出している。
押し切られ、甘えてしまっているが本当なら断りたかった。
嬉しくないわけじゃない、嬉しく事は嬉しかった。
けど、私は納得してなかったのだ。
「じゃ、はオーナーにどうして欲しいんだよ?
あれも嫌これも嫌じゃ、オーナーの気持ち浮かばれないぜ?」
『・・ドフィの気持ち?』
「・・・おいおい、マジかよ!
前にオーナーからカクテル贈られたの忘れちまったのか?!」
あぁ・・
あったね、そんな事。
遥か昔に感じてしまう。
それぐらい、周りが目まぐるしかった。
『だって、あれから何も言われてないし・・
何より一緒に寝ていても手すら出して来ないんだよ?』
恋愛対象として、見られてない事は確実だ。
「・・・マジかよ」
『マジですよ』
いや、そっちじゃねぇんだけど と、呟くキッドだが気にせず私はグラスを一気に煽った。