第23章 TRUMPET VINE
【オマケ】
「オーナー、今いいですか?」
そう言って封筒を差し出すゾロ。
俺は持っていたグラスをテーブルへ置いた。
「・・受け取らねぇぞ」
2つある封筒に一瞥する。
1つは、明らかに金が入ってるだろう。
そして、もう1つには辞表と書かれていた。
「受け取って下さい。
これは、俺のケジメです」
どいつもこいつも・・
黙ったままの俺に、ゾロは封筒をテーブルに置いた。
「今までお世話になりました」
「・・女にフラれたぐらいで辞めるのか。
本物の負け犬だな、クククク」
「もう1度手に入れるために次に進むだけです。
・・オーナー、何故金を払ってたんですか?」
「お前に言う義理はねぇはずだが?」
「あります。
は俺の女です」
「・・俺は信用出来る人間しかそばにおかねぇって知ってるか?」
頷くゾロに俺は、1つだけ封筒を返した。
「上に伸し上がりたきゃ、俺のそばで働くか」
退職金だと、俺はグラスを再び手に取った。
fin