第22章 CALENDULA
順調だった。
週末までに仕事を終わらせ、金曜の夜からゾロの店へと顔を出す。
金曜と土曜の夜は必ず1人で行った。
デートらしいデートはした事がなかったが、私は不満はなかった。
ゾロは私を大切にしてくれていたし、優しかった。
ただ1つ、不満って言うよりこの感情は嫉妬。
「眉間にシワ寄せるぐらいなら行かないでとか言えばいいのにな」
『仕事だとわかってるもん。
笑顔で送り出したいじゃない』
珍しくヘルプに付いたのはルフィ。
そんな乙女心をルフィに理解してもらえるはずがない。
私の目線の先を見ながらルフィはいつもの笑い声をあげる。
「シシシシ、そんなもんか?大変だなホストの女って」
あぁ、大変だ。
見たくないモノを見てしまう。
行かなきゃ見なくて済むのにとは思うが、ゾロはそうさせない。
私が嫉妬していると知って喜んでいるのだ。
ゾロは絶対Sだ!ドSだっ!!
『行くの断れない私も悪いんだけどね』
ゾロが浮気するとは思っていない。
だけど、だけど!!
気になるんだよ、こればっかりは。
『あっ、私そろそろ帰るね』
いつも先に帰ってゾロのために軽食を用意するのが週末の日課。
軽食と言えどゾロは大量に食べてしまう。
「会計待ってろ。
後、ゾロ呼ぶから」
『あっ、いいよ。
さっきあの席付いたばかりでしょ?』
私の言葉を聞くか聞かないかのスピードで去るルフィ。
帰ってきたルフィは、会計は既に済んでると言ってきた。
「ゾロが払ってんのか?
やるなアイツ、ニヒヒヒヒッ」
『そうみたい。
あっ、ゾロに不機嫌になっちうから言ったらダメだよ』
ありがとう と、お礼を言うがゾロは訳がわからないといった表情を見せ
わざわざ礼を言われる事はしてねぇ、黙って受けろ と、不機嫌になる。
私にする事全て、苦にはならず当たり前の事だとゾロは思ってる。
黙って受ける気にはなれないがその気持ちが嬉しかった。