第20章 SHEPHERD’S PURSE
『・・・うぅん?』
何かが重く、寝苦しい。
上手く寝返りを打てずに目を開けた瞬間、覚醒した。
『ヤバッ!!!』
勢い良く、何かを跳ね除け起き上がる。
「今日も仕事だったのか?」
『えっ?休み・・・・ゾロ?えっ?!何で・・・?』
いつの間にかベッドに移動していた。
隣にはゾロが寝ていて、欠伸を噛み締めていた。
「俺ん家来たの覚えてないのか?」
『覚えてる。
いや、それじゃなくてゾロどうやって入ったの?!』
部屋の鍵は私が持っていた。
入った際、鍵を掛けろと言われちゃんと掛けたはず。
「・・・あぁ、にやったやつは店に置いてたスペア。
いつも使ってるのは俺が持ってる」
質問の意味がわかったのだろう、起き上がりながら答えるゾロに私はまた驚愕した。
『な、何で上着てないの!?』
「あ“ぁ?・・俺寝る時着ない」
上半身裸。
その引き締まった肉体美につい、目が奪われる。
『・・・』
「・・フッ、触るか?」
うんと、頷くと同時に手に伝わる肌の感触。
割れた腹筋の筋に指を這わせた。
人差し指1本だったのが次第に手の平全体へと変わる。
『硬い・・・』
「っっぅ!!やっぱ、止めろッ!!!
寝起きでその触り方はヤバイッッ!!」
動揺するゾロが面白くて、手を止めたくなくなる。
もっと触っていたい。
「ッッッ!!」
辞めないお前が悪い と、
言われると同時に押し倒された。
背中に感じる衝撃をベットが吸収する。
あっ、やり過ぎたと、
思った時には遅すぎた。
ギラつく瞳で私を見合すゾロに四肢が自由に動かない。
『ゾ、ロっ?!』
「煽ったのはお前だ・・」
『そ、そんなつもりはッ!!
ただ、触りたかっただけだもん!』
「・・・!!
チッ、無自覚かよ・・
その言葉も煽ってると同じ事だ」
反論した私の言葉は、キスによって塞がれ発する事が出来なかった。
今まで何度キスをしたのだろう。
こんな余裕の無いゾロからのキスは、今までなかった。