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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第19章 LOTUS





芝生の上に座る後ろ姿。
やっぱり・・・
何処で知ったのだろう?
やはり仕事柄情報が入りやすいのかもしれない。

『こんにちは』

そう呼びかけるとビクッと肩を揺らし振り向いた顔は驚いた表情。

「あぁ、とうとうバレたか」

『お花で検討付きましたよ。
お花嬉しかったです、ありがとうございました』

ペコっと頭を下げれば、ガシガシと頭を掻いて困った表情を見せるクザン。

そう、毎日1輪の花を贈ってくれたのはクザン。
そして、その花はヒヤシンス。
クザンが以前贈ってくれた花と同じだった。

聞けば、事故現場にたまたま居合わせたという。
病院まで付き添ってくれたとは、知らなかった。

芝生に座るクザンの横に腰を下ろす。
そして、私は改めて謝罪した。


『ご迷惑おかけしてすみません』

「いいってよッ。怪我の調子はどうだ?」

順調だと答えるとクザンは良かったなと微笑んでくれた。

ふわぁっと風が舞う。
舞い上がる髪を押さえながら広々とした庭園で遊ぶ子供達を眺めた。

「・・何度か連絡しようと思った」

急に口を開いたクザンは、子供達を眺めながら話を続ける。

「あの書類に書いてある連絡先に電話して食事にでも誘おうと何度も思ったよ」

『・・クザンさん』

「だけど、立場が躊躇させたんだよな」

『!!!』

知ってるの?
そりゃ、知っててもおかしくない。

「君と再会して、自分の気持ちに再度気付かされた。
未練がましく花なんか贈ってさ・・
俺、情けないしょ?」

そんな事ない。
その気持ちを込めて頭を左右に振る。

「・・・あの花の花言葉覚えてるか?」

『・・・嫉妬』

「その花言葉も未練がましいよなぁ。
・・・正直あのポスターに嫉妬してまたその花を選ぶなんてさッ」

『クザンさん・・』

「忘れてくれ。
無事な姿見れてよかった」

私の頭をポンポンと叩くとクザンは、庭園を出て行った。

えっと・・
どうゆう事だろう?
忘れてくれって何を?どれの事?

クザンに言われた言葉を思い出す。

私は追いかけるべきだったのだろうか?
でも、追いかけて何が出来る?

自分の気持ちがわからないのに追いかけて何になる?

私は、そればかりを永遠考えていた。






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