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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第19章 LOTUS





入院生活が1週間過ぎた。
傷の具合も肺の具合も良好。
退院が思ったより早く出来るかもしれないとペンギン先生にも太鼓判を押される。

「それにしても相変わらず凄い部屋だな」

この部屋がここまでになるのは初めてだよと、辺りを見渡すペンギン先生。

『あぁ、毎日何かと持って来るんです。
お断りは一応しているけど聞いてもらえなくて・・』

部屋には、溢れんばかりの花やフルーツ、お菓子など見舞いに来たハンコックが毎日何かしら置いて帰る。
看護師さんなどにお裾分けしているか追いつかないペースだ。

「こっにも大分溜まったね、1輪花」

『・・はい』

毎日1輪ずつ贈られる花。
いつも知らない子供が持って来る。
誰からか名前は書いてないけど多分この花を選ぶのはあの人だ。
今日こそはハッキリさせようと思っていた。

退院する前にちゃんとお礼言いたいしね。

「経過は良好だけどあまり無理しちゃいけないよ」

仕事量半端ないねと苦笑いを浮かべてペンギン先生は部屋を出て行った。

ベッド周りやテーブル周りに山積みになった書類や資料。
会社から持ち込まれた物ばかり。
オフィスがここに移動してきただけで通常の業務は滞りなく行える。


ートントントンー
軽いノック音に返事を返すと現れたのは8歳ぐらいの男の子。
パジャマ姿なので入院患者らしい。

『こんにちは』

「こんにちわ。・・これ、お姉ちゃんにッ!」

万遍の笑みで差し出されたのはいつもの青いリボンが結ばれている一輪花。

『ありがとう』

受け取った私は、これ頼んだ人は何処か訪ねてみた。
いつもは帰ったよとか知らないとか返ってくる返事だが今回は違った。

「うんとねぇ、庭園だよ。
ぼく庭園で遊んでたんだ、まだ遊ぶ約束なんだ」

『そうなの?お姉さんも会いたいな』

ニッコリ微笑むと男の子は こっちだよっ!と私の手を引いて連れて行ってくれる様だった。
私は、パジャマの上からストールを羽織り男の子と庭園に向かった。






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