第17章 LAVENDER
『わざわざありがとう』
明日も仕事だから私だけ早々店を後にする。
ゾロが通りまで送るとの申し出に甘える事にした。
通りに出ようとした瞬間 腕に力を感じ一気に路地に引っ張り込まれる。
『えっ!?』
ビルとビルとの間。
ドンと背中に微かな痛みが走った時には、背後に壁 正面にはゾロ。
逃げれない様に私の顔の真横にゾロの両手が壁に付いていた。
『・・ゾロ?・・・』
微かな月明かりがゾロの顔を照らす。
ゾッとするような色気、妖艶。
「・・ここにキスしたヤツはオーナーだけか?」
そう言って親指で私の唇をなぞった。
『・・えっと、・・・』
「他にいるんだな?誰だ?
・・・クロコダイルか?」
カーッと顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「いつだ?」
『・・・ハンコックのバースデーパーティーの時・・
部屋で・・・』
正直、酔っていた。
だから夢かと思った。
だけど、ハッキリ残っている感触。
クロコダイルは、私に記憶が無いと思っているぽい。
今更、訂正しても気恥ずかしいしどんな態度を取っていいのかわからなくなる。
「・・じゃ、俺もしていいだろ?」
『えっ?』
背中には、壁があり逃げる事は出来ない。
徐々に近付いてくるゾロの顔。
チュッと軽いリップ音と共にゾロの唇が重なる。
すぐに離された唇。
だけど、その感触は色濃く残った。
『・・ゾロ・・・』
目を瞑る暇なんてなかった。
呆気なく重なった唇。
「・・足らねぇ」
そう呟かれた言葉を理解する前に再び、重なった。
触れるだけの軽いキスが次第に深くなる。
吐息の合間に捻じ込むゾロの舌。
口内を弄り始める。
深く深く、執拗に追いかけてくる舌から思わず逃げようとするが頭を抑えられ身動きなど取れない。
『・・っぁ・・・ゾ・ロぅ・・・』
指先に絡み付く髪。
甘い吐息。
快楽を呼ぶ。
「・・まだだ。
お前が他のキスを忘れるまで辞めねぇからなッ」
濡れた唇から連なる雫がキスの深さを物語る。
そっと、ゾロの頬に手を添えれば奪われる様に重なった唇。
追ってくる舌に絡み返せば、ゾロから吐息が漏れ始めた。
「・・・・・」
離れては重なり、重なっては離れる。
甘く激しいキス。
オマケ→